最新情報

本校では、現代文の授業の一環として400字程度のエッセイを生徒に書かせ、各種コンテストに応募しています。このたび、林咲良さん(3年)の作品が第20回高校生フォーラム「17歳からのメッセージ」(主催・大阪経済大学)で、見事グランプリに選ばれました(28,643通中の3作品)。また、銀賞を2名、奨励賞を5名が受賞したため、学校特別賞も受賞しました。

林さんの作品

テーマ「災害と防災について考える」

「忘れてはいけないこと」

 私は去年の夏休み、祖母の生まれ故郷の宮城県石巻市にはじめて行った。ただ遊びに行くだけじゃなくて、祖母の兄の娘さんのお墓参りも兼ねて行くことになった。早速、祖母の兄の船のおじさん(昔、船でコックをしていたことから我が家ではそう呼ばれている)に会って、お仏壇にお線香をあげた。私も母も祖母も長く長く手を合わせていた。船のおじさんは紅茶をいれて待ってくれていた。早速、紅茶を飲みながら菓子をつまみ、コック時代の話、祖母との思い出話を聞いた。
 日が暮れ、船のおじさんの息子と孫も遊びに来てくれて一緒に食事をした。話は東日本大震災の話になった。すると、孫の一人が「この話やめよう。」と言った。それから別の話に変わった。孫たちが帰った後、たくさん並んでいる遺体の中から口元の黒子(ほくろ)と婚約指輪から娘を見つけた話を目に涙を溜めて一生懸命話してくれた。「俺は津波を経験してない人に伝えたい。いろんな人に話しなさい。」と言った。
 私に出来ることは船のおじさんとの約束を果たしていくことだけだ。帰り際に見た海は穏やかだった。船のおじさんは娘さんの婚約者がおじさんが寂しくないようにとプレゼントしてくれたフレンチブルドッグと共に最寄りの駅まで見送ってくれた。船のおじさんがボソッと、「これから寂しくなるな~。」と呟いた。電車に乗り込んだ後も、いつまでも手を振ってくれていた。受験が終わり次第、また会いにいくから待っててね。


(左から)大阪経済大学の山本学長、林さん、若松校長